あおやぎブログ

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やぎぶろっ!

音楽・映画・本(雑談、レビュー、コラム)

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リリースイベントにみるアイドルオタクの心理

コラム

今回は、“でんぱ組.inc”が11月2日にリリースしたシングル「最Ψ最高潮!」のリリースイベントに参加してきた。

 

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リリイベに参加というと、すっかり自分もアイドルオタクになってしまったんだなぁということを自覚する。

ちなみに今回のリリイベの内容は、通常盤、初回限定盤A、初回限定盤Bの3枚1セットを予約した人にメンバー1人と2ショットチェキを撮れるというもの。

 

イベントは1部と2部に分かれており、1部1枚、2部1枚と1人当たり計2枚の2ショットチェキを撮ることができる。また、抽選によって当落が決まるので不必要に買う必要がないうえ、朝から列を作らなくて良いという点で非常に良心的。これが『チャーリーとチョコレート工場』のように、どのCDに当たりチケットがあるか分からないという内容だったら、ゾッとする。

 

つい前置きが長くなってしまったが、いわゆるアイドルオタクといわれる人でなければ1セットおよそ6000円するものを複数購入しようとは思わないだろう。

とはいえメンバーとの接触機会(対面しての会話)は数少ないものとなっている現状からして、これを買わない手はない。ちなみに私は1部1枚・2部1枚と計2枚購入した。選んだメンバーは「古川未鈴」と「相沢梨沙」。

 

イベント詳細

会場は〈パシフィコ横浜Aホール〉が開放され、でんぱ組.incファン(通称:でヲタ)が列を作る。正確な数は把握できなかったが、各メンバーにつき何百という人が列を作った。そんな状況なので、当然接触時間も限られてくる。会場は大きなホールの奥にメンバーそれぞれの箱が用意されているという様子。

こんな感じ。

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入口はカーテンで仕切られていて、運営が入口と出口を管理している。また、途中で本人確認のための身分証明書、チェキ参加権(予約CDに同梱)、商品納入書(商品に同梱)が必要である。なかなか厳しい審査で転売対策にも力を入れている。販売方法が商業主義でないから心底嬉しい。

 

 

さて、ここでイベントの流れの概要。

 

1.受付を済ませて列に並ぶ

2.途中でチェキ券を見せる。本人確認の必要書類を見せる。

3.メンバーの箱の前で荷物を置く

メンバーと対面(カーテンが開く)

1.あいさつ

2.チェキを撮る

3.あいさつ

 

注目すべきはメンバーと対面してからの流れだ。早い人なら大体これくらいで終わる。それくらい時間は限られている。

この時間的な余裕の無さにプラスして、メンバーとの対面による緊張で、顔は強張るし何を話すか分からなくなるので、あたふたする場合がほとんどだ。

 

なぜリリイベに参加するのか

 

わざわざ遠方から足を運ぶ人も多く見受けられ、リリイベに対する熱意を感じる。

「いやチェキ撮るためだけにそれは…。」と思う人もいるかもしれない。そういう人のためにも接触イベントに参加する心理を紐解いていきたい。

 

要するに接触イベントに参加するということは、一緒にチェキを撮ってもらいたい。メンバーと話がしたい。目に見える形でも思い出が欲しい。という気持ちもある。しかしそれを上回る要素として認知をしてほしいというものがある。認知というのはメンバーから顔や名前を覚えてもらうこと。規模が小さいアーティストなら認知されることは容易だ。

現在のでんぱ組.incTwitterのフォロワーは22万弱。単純に考えても20万人くらいはでんぱ組の情報を得たいと思って、自発的にフォローしているわけだ。

このなかから自分を覚えてもらうなんて途方もないように思える。だが案外手の届くことだ。

 

接触イベントの可能性

接触イベントは他のイベント、ライブやフェスなどと異なり、対面して話すことができるわけだから、認知の可能性は高まる。たかが認知と思うかもしれない。

でも規模を小さくして考えてみよう。

頻繁に行く店のおっさんでさえ顔と名前を覚えてもらったら嬉しいものだ。逆に通っているにも関わらず自分の存在が知られていなかったら悲しい。いわば承認欲求とも似た感情である。

この自分を知っていてほしい。相手に知られたいと考えるのが、認知が欲しいという願望の真意であり、アイドルオタクの最も重要視する部分だと考えている。

 

接触がもたらすもの

さて、ここまで話してきたが、イベント参加は認知だけのための行為というわけでもない

その付随する効果としてのアイドルと話ができるというのも嬉しいことだし、有名人が居たら一緒に写真を撮ってもらったり、サインをもらったり、握手ができたりすると嬉しい。

それを好きなアーティストとできるなら、相応の金額を支払う価値がある。

他にも、

ザイオンス効果(単純接触効果)≫

人間の、ある対象への好感度は、その対象との接触回数に依存する。

≪投影≫

自分のもっていない魅力がある理想像をアイドルに投影して、『アイドルが元気=自分も元気』 的な図式を無意識に作ることもある。

詳しい要素はさまざまあり、信仰心にも似た感情も要因している。

日本の文化・言語における「アイドル」の語源となった英語のidolの本来の辞書的な意味は、偶像、すなわち目に見えない崇拝や信仰・信心・信奉・信条などの対象を可視化した、絵画や彫刻などのことであり、代表的な用法に偶像崇拝などが見られることからも友達が言っていた「○○ちゃん神!!」という発言もあながち間違いではない。

 

このような要素が接触型のイベントが成り立つ理由だ。

 

楽しみかた

これは余談ではあるが、楽しみかたの1つとして街中だったらヒヤヒヤするような恰好をしている人を多く見かける。つまりコスプレやコンセプトを持つ格好をするハロウィンのような楽しみ方も1つの醍醐味となっている。

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コスプレイヤーは、日常的な自分から解放されたいという心理と同時に、今の自分に満足しておらず、そのキャラクターのような存在になりたいという変身願望が存在している。昨今のハロウィン人気も日本のストレス社会がもたらした産物といえるのではないか。

それと並行してインパクトを残して認知してもらいたいという願望もある。

しかしアイドルといっても人間だから気持ち悪いと感じたり不快に思うかもしれない。

そう言った意味で彼らのメンタルには脱帽する

 

リリイベの形式の多様化

リリイベにも、チェキやサイン、握手などさまざまな形式があり、ハグなどの行き過ぎにも思えるイベントが話題になった。

このような特典を利用して、CDを売るのも当然になった。

かつては、「音楽だけで売れよ」という考えが強かった。今ではむしろリリイベ、各種イベント参加の特典を望んでいる。アイドルファンならなおさら特典を望む。それがパッケージとしてCDを売る唯一の方法だと考えているし、ダウンロードの利便性に勝るには、それくらいしなくてはならない。

ファンの需要を考えなくてはCDという形式が残ることもないだろう。

 

おわりに

かつて神格化されていたアーティストもSNSの爆発的普及や接触イベントのおかげで思いを伝えること容易な身近な存在になった。

 

アーティストの規模が大きくてもファンとの距離が近いイベントを行うことはファンのことを考えているともいえる。

しかし、一方ではファンの金脈化も問題視されていることなので常識的な額を積んでほしい。

そうはいっても自分の好きでやってることだから周りも温かい目で見守ってほしい。

 

この記事をアイドルオタクでない人が読むことで、その心理を理解してくれること、傾倒しすぎたファンが自身の異常性に気付くきっかけになってくれたら幸いだ。

 

それでは!!