あおやぎブログ

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やぎぶろっ!

音楽・映画・本(雑談、レビュー、コラム)

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 アイドルとバンドの対バンで賛否両論 ~求められるオーディエンスの在り方~

コラム

最近のアイドルはロック要素が強い。もう何年も前からこの傾向が強くなってきた。その音楽性のみならず、フェスへの出演、ロックバンドとの対バンが当然のように見られるようになった。

そのなかで毎回のように浮上する問題。それはオーディエンスのノリ方についてだ。

 

問題の根本にあるのは、ロックのノリとアイドルのノリは全然違うということ。

どちらも分からないという方のために具体的に説明すると、

コール、mix、口上、ヲタ芸などを行うアイドルの盛り上がり方は、主に頭脳的・協同的なものが多い。

それに対してロックバンドの盛り上がり方はダイブ・モッシュなどを行い、主に身体的・感覚的なものが多い。

どういう行為なのかをということは動画を観たほうが、把握しやすいかもしれない。

どちらのライブにしてもオーディエンス全体が上記に挙げた行為を全く行わず、静観していたら違和感を感じる。

 

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問題の発端

ロックのライブでの危険行為アイドルのライブでの比較的安全な行為。これらが混合させられる機会は、2012年頃から本格的になってきた。

 

発端は2012年11月23日 に行われた「MUSIC COMPLEX 2012」(通称:ぴあフェス)これには、マキシマムザホルモンももいろクローバーZなど6組のアーティストが出演。激しいライブが特徴のバンドと当時最も勢いのあるアイドルが集うフェスは、前例が少ないながらも盛況であり、大きな物議を醸すこともなかった。だがこのフェスが問題意識の火種ともなったのは恐らく間違いない。

 

これを機にロックフェスにもアイドルが出演する機会が増加し、SNSを中心にその賛否問われるようになった。特に注目されたのは「OzzFest Japan 2013」

 

 

getnews.jp

 

ももクロ×ヘビメタなぜ 「オズフェスト」に参戦 – 朝日新聞DIGITAL

 

http://digital.asahi.com/articles/TKY201305070397.html




今でこそロックフェスにアイドルが出演するということが、当たり前になりつつあるが、当時は大きな話題を集め、賛否が起きた。(オズフェストだからということもあるかもしれないが)会場内にサイリウムの持ち込みが禁止されていたことからもアイドルアウェーの雰囲気を感じる。

同じ音楽であっても、そのジャンルの違いによって同じフェスへの出演に疑問を抱く声があるのだから、オーディエンスの楽しみ方で、ジャンルの異なるファン同士が相容れないということも頷ける。

 

なにが問題か

 

これから述べていく内容は多くの人を敵に回すことになるかもしれない。

なぜなら、以前アイドルがロックバンドと対バン形式で回る大規模なツアーを行う前にとったアンケートによると、「ダイブ??なにそれ怖い」「邪魔だからやめろ」という意見が「自由でいいのではないか」「分からない」という意見を抑え、6割以上を占めた。

 

私が言いたいことは、そのアーティストに合ったノリが存在して、それを適切に判断したうえで、オーディエンスが一体になる必要があるということだ。恐らくどちらのファンであってもアーティストによってノリ方を変える。“住み分け”が可能なはずだ。

つまり対バンであるなら、ロックバンド出演時はダイブ・モッシュを許容し、アイドル出演時はそれらを行わず、アイドルのノリを全力で行うということだ。

アイドルが禁止していることをキッズが行うというのは問題があるし、ロックバンドでサイリウムを振ったり、mixを発動させたり、オタ芸を打ったりするのは気持ちが悪いそもそもバンドにとってそんな必要はないし、望んでもない。(一部の色物バンドなどの例外は除く)

 

www.excite.co.jp

  

 

ライブキッズの生態

 

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これで指摘された人はかなり“暴れる”ことを楽しむ目的としている人の可能性が高い。そういう意味では注意されても当然だが、ダイブ、モッシュが激しい人は行為に慣れているという前提がある。

 

すなわち、テンションが上がる→ダイブ という行為に慣れてしまっているから大体同じ人がダイブをする。キッズとしたらダイブをしたくらいで怒られる理由はないし、その点は寛容であってほしい。

(アイドルで置き換えたらテンションが上がる→オタ芸と同じこと)

                                                                                        

「アイドル主催のツアーだし禁止している行動だから、出演アーティストに関わらず危険行為はやめろ」という人がいるのは分かるが、ライブキッズの言い分を聞いてほしい。

 

ロックを体に浴びて、行儀良く観ていられるか?(2009/8/25)

これは横山健のコラムからの抜粋であるが、

これにすべての行動の理由が込められている。

ダイブ・モッシュなんてどうでもいいと思う人もいるかもしれないが、自分達が居心地の良い場所と思うなら、楽しい場所としたいなら、自身の行為を危険といわれ、禁止されたくらいで、行動を制限し、黙って観ているというのは我慢ならない。

社会や世間と戦うロックを歌うバンドの前で、それに屈してしまうことは、どうしても譲ることができない。もちろん、知らない人を巻き込んで怪我をさせるような楽しみ方、自分だけが良ければいいというような行動・楽しみ方は許されない。

ダイブをするなら下の人に「申し訳ない」「つい我慢できなくて」という姿勢であってほしい。そのことを考えるとリフトからのダイブという定番ともいえる行為は冷静さが介在しているため、あまり気持ち良いものではない。

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                       (10-FEET TAKUMA ブログより)

そもそもダイブ・モッシュ禁止というルールはライブハウス、ロックフェスでも同様に呼びかけられている。

ただそれが、“暗黙の了解”として受け入れられ、危険行為による怪我や事故は自己責任という体裁と保っている。

個人の行動を許容していたために、取り返しのつかない事故につながったことによるロッキングオンの主催フェス(RIJFCDJなど)が厳重に危険行為を取り締まっていることからもその責任は計り知れないものだと分かる。

 

危険とはいっても、全国各地で数えきれないほどライブが行われて、それらが事故に繋がるケースほぼない。ロキノンの事故もウェイキッズが無茶をして怪我をしたのかもしれないし、自身の行動の危険性を意識していなかったから起きたことかもしれない。動かない人にぶつかりにいって重傷を負わせるのは困難だ。それを考慮すると危険であるという認識を持ち、周囲への思いやりがあれば必ずしも罰すべき行為だとは思えない。

 

 

アイドルヲタクの生態

 

ここまではキッズを中心として取り上げたが、ドルヲタもその楽しみ方も疑問を持たれることが多い。

その中心となるのは、楽曲を聴かないこと。マナーが悪くなるとサイリウム投げなどの悪質な行為が行われることだ。

 

楽曲を聴かないというのは、少々言い方が悪いかもしれないが、間奏ならまだしも、メンバーの歌唱パートでも大声を出す。そしてステージではなく、地面に向かって叫んだり、明後日の方向を見てヲタ芸を打っていたりするという事実がある。

 

(マグロック2015でも炎上ツイートが多数見られた。)

 

これらもまた一部のファンかもしれない。しかし、ほとんどのドルヲタがミックスを言える、ヲタ芸を打てることを考えれば小規模な話題ではない。

 

このような負のイメージを持たれがちな行為も実際に参加し、自分も主体となれば、その一体感全員で会場の雰囲気を創り上げるという大きな達成感を感じるはずだ。

 

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まとめ

 

 最近アイドルがフェスにも出演し、ロックバンドとの対バンが増えてきたということは喜ばしいことだ。実際に私もロックフェスに出演したアイドルを観て、アイドルへの偏見がなくなり、その文化に興味を持ち始めた。

 新規ファンの獲得や他ジャンルの音楽を敬遠するような垣根が減っていくことは音楽シーン全体の盛り上がりにもつながる。

 

人々に根付き、継承されてきた文化なのにキッズもドルヲタも肩身が狭くなってきている。

 

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だからこそ互いの文化が制限され、互いが相容れないものとして、排除しあうような関係になってほしくない。伝統をこれから先も継承していきたい。

 

音楽の垣根の減少によってキッズであり、ドルヲタであるような人も多く見かけるようになった。両者が共存し、さらに音楽シーン全体が盛り上がっていくことを期待している。

 

 

追記

 

12月の3日と4日には5年に1度のフェスSKULLSHIT「骸骨祭り」が開催され、そこにはアイドルの姿もある。

骸骨祭りも危険行為の禁止を呼びかけているが、今回の出演ラインナップからして、黙って観ていられるとは思えない。それが受け入れられる会場や雰囲気だと思っているし、発見した場合の罰則について明記もないことから、

“暗黙の了解”があるロックフェスだといえる。

 

ここに本来ダイブを含む危険行為を禁止しているアイドルが出演するということが、会場全体の雰囲気をどうするのか。“郷に入っては郷に従え”という言葉通り、私はフェスへの出演を了承した時点で、それを受け入れたと認識している。

 

フェスというオープンな空間ならば、アーティストの内部事情に通じていないライトな層で会場が形成されるため規制は非常に困難。

一部の人間が「このアーティストではダイブはしないで」と呼びかけたところで、掃除時間に生徒のサボりを注意する学級委員長のように邪魔者扱いされるのがオチだ。

 

ならば雰囲気にあった楽しみ方をするべきだし、それが盛り上がりの最大限の表現方法であり、アーティストに対する礼儀だ。

 

今後オーディエンスの楽しみ方がどのような規制され、禁止されていくのかは分からない。しかしそれぞれの音楽文化に根付いた伝統が廃れてほしくない。ロックのライブで育ったキッズもアイドルのライブで育ったヲタクも行為を禁止されて黙っているべきではない。

ライブキッズだから。アイドルヲタクだから。そんな垣根を越え、それぞれが理解を深め、

互いの楽しみ方を尊重し、それに順応すれば、「こんな楽しみ方もあるのか」という新鮮さ驚きを感じるはずだ。

敢えて自分の所属する枠組みにとらわれる必要はない。オーディエンス全体が経験を重ね、熟していくべきだ。