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成績優秀者はメタルを聴いている!? ~データから考える日本のメタルへの認識~

今回は面白いニュースを目にしたので紹介していきたい。

 

 

まずは元記事のリンクを貼っておく。(原文のため英文記事)

https://warwick.ac.uk/newsandevents/pressreleases/gifted_students_beat/

 

こちらはロッキンオンで執筆されているサイト「科学でロック」でも発表されたもの。

【科学でロック】優等生が一番好きなのはメタル? 「メタルこそが真のアウトサイダーの声」とも (2018/03/06) 洋楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

 

要するに、ウォーリック大学が2007年に発表した研究結果によると、イギリスの11歳から19歳までの、学業成績がトップ5パーセントを占める学生の間ではメタルが一番人気の高い音楽だったという内容だ。

対象になったおよそ12万人の学生が好きな音楽として挙げたものの中で最も多かったのがメタルだったとあるから、調査時期こそ古いものの対象人数はなかなかのものである。

この記事の内容に関して思うことがあったので、記事の内容を引用しつつ、個人的な見解と内容への提起を記していきたい。

f:id:aoyagiblogchang:20180422222435p:plainドラッグトレインより引用

1.メタルへの偏見とマイナーへの傾倒

重要なのは、ザ・スミスが好きだという人の方が頭がよさそうだと思え、スレイヤーが好きだという人はそうではないと一般的に思えるということなのだ。 

同記事内でも特に興味深かった指摘として「自分に自信が持てず」「友人や家族との人間関係がうまくいかず悩んでいる」傾向が強いこと。メタルやへヴィー・ロックの部外者だと誰もが、メタラーは全員頭が悪いと信じ込んでいて、その考えを改めようとしないことに驚かされる。一部記事内より引用)

このようなメタルでネガティブなエモーションを取り除くことができることや、世間のメタラーへの偏見といった内容については考えさせられるものがあった、

 

たしかに自分自身にコンプレックスを抱えている人・自尊心が低い人は、人間の思想や教養として重要な趣味に没頭していることが多いように思える。

コアな音楽ファン、コアな映画ファンは学生時代に友人がいなかったことや家庭環境に難がある場合が多く、今まで極端に暗い感情に陥ったことがない人は語弊を恐れずにいうとあまり有意義な趣味がないケースは多い。

ここでいう有意義な趣味というのが人間の思想や教養として重要な趣味とイコールであり、それは映画や音楽、読書、芸術といった趣味のことだ。

テレビを観て過ごすことやネットサーフィンや過剰な睡眠などを趣味として聞いたことがあるが、それらに長時間費やしたところで賢くはならないし、自分自身のことも理解できないのではないか。

2.孤独が有意義な趣味に繋がるのか

1人でいる時間が長い分、自分の中で完結できる、時間を費やすことに向いている趣味を選ぶからなのではないかと思う。

そもそも賢くなるには大勢でいるよりも1人でいるほうが向いている。というのも読書や映画、音楽を聴くことは共感が重要な側面でもあるが基本的には1人で行うものであり、ライブや映画館でも傍に人が居ても楽しむときには1人である。

1人でいる時間が長いから1人で時間を潰すことができるものを選ぶ。そうでもしなければ、退屈で何も得るものがない生活になってしまうだろう。

SNSの普及などで現実の生活に友達が居なくてもある一定の領域において価値観を共有できる友人ができる可能性は大いにあるが生身の人間とのコミュニケーションがなければ孤独感を払拭することはできないだろう。

3.なぜメタルなのか

孤独感と趣味の選択について触れてきたが、ではなぜメタルなのだろうか。

私としては、メタルの反体制的な思想が最も心情に寄り添った音楽なのだと思っている。そもそも孤独な人は少数派であり、ポピュラー音楽はそうした人にとってはどこか共感できない部分があるのかもしれない。

周囲との相違や大衆への反骨精神の基に自我が形成されていくとしたら、反体制・レジスタンス的な考えをもつことも不思議ではない。

もちろん音楽的なシャウトやグラウル、スクリーム、ブレイクダウン、男臭くて攻撃的な歌詞といった音楽性で自らの思いと共感することがあるのではないだろうか。

普段抱えているストレスを解放する力がヘヴィメタルにはあることは確かだ。

4.メタルへの偏見

いまだにメタルは不良の音楽。うるさいだけ。思考レベルが低いと思っている人がマジョリティだと思うと呆れてものも言えない

もしかしたら、このような認識は日本ではもっと悲惨かもしれない。アメリカではグラミー賞のなかに最優秀ハード・ロック/メタル・パフォーマンス賞が1990年から設立され、ドッケンやフェイスノーモア、ナインインチネイルズ他がノミネートされ、メタリカが受賞している。

これはメタルの音楽性や社会的影響を考慮した結果である。

1992年に設立されたPolar Music Prizeは“音楽のノーベル賞”とも呼ばれるスウェーデンの栄誉ある音楽賞であり、これにはメタルバンドも受賞している。

このようななか、BABYMETALがイギリスのメタル雑誌「METAL HAMMER」主催のアワード「METAL HAMMER GOLDEN GODS 2015 AWARD CEREMONY」に出席し、"BREAKTHROUGH"部門を受賞している。

世界でここまで飛躍している日本のアーティストがいても、日本でメタルという音楽が賞を貰ったり、年末の音楽番組などに出演することがあるかと言われれば答えはノーだろう。

制作側がメディア露出を絞っていることもあるかもしれないが、日本でメタルは十分な市民権を得ていないことが大きな要因だと思う。

だからシーンをもっと盛り上げていって皆でメタルを聴こうという宣伝ではなく、誤った認識がなされたまま今日まで来ていることは軽視できない。 

まずメタルは不良が聴くものという認識についてだが、それには思想と現在のミュージシャンの努力について説明しなければならない。

 

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「ウィキペディア『ロングヘア』」より抜粋

今ある日本の文化を考えると普通に働いている社会人ならこの程度の髪の長さがふさわしいとか髭は剃るものとか染髪してはいけないとかハンカチとティッシュは常に携帯するものとか、スーツ着用は当然で私服といってもオフィスカジュアルが当たり前のような文化が根強く残っている。

いずれ無くなるようなものではないと思うが、このような厳格な統率や時間を掛けて会得していかなければ暗黙の了解があって、それを知らなければ非常識・社会不適合者と見なされるような風潮はいかがなものか。 

 

場合によっては常識に従わなくてはならないが、もっと人の本質・個性を重要視していってもいいとも思うし、実際にそのように変わっていって欲しいと密かに思っている。

なにも容姿まで強制していく必要はないはずである。長髪で髭面のファッションより統制された高校球児の全員が丸刈りにする文化などのほうがよほど恐ろしく思える。 

さらにアーティストの事情も何十年も前から変わってきており、メタルが注目され始めた当初はドラッグやアルコールに溺れることも多くあったが、長期のツアーや長く激しい楽曲に耐えうる体力の必要性、加齢による体力の低下を恐れ、多くのミュージシャンが積極的にワークアウトなどを行っている。

ドラッグも今やほとんど関わる機会はないだろうし、ミュージシャンによってはアルコールを断つこともあるくらいだ。

精神的にロックじゃないと笑うかもしれないが、これはアーティスト活動を長期に行うためには重要なことである。 

もっとメタルの音楽性や思想的な核の部分が、評価されるべきだし、多様性を認めていくべきだ。

 まとめ

このようなことが研究の下に証明されることは、普段何気なく考えていることが文字としてしっかりと整理される場になった。

普段からメタルを聴く環境が非常に限られていること、メタル全盛期を過ごした人さえも誤った認識をしているようではこれから先もメタルへの偏見が無くなることはないだろう。

 これらを解決した先にメタルへの偏見を無くすことができ、BABYMETALの活躍もあるように、もっと面白い音楽が生まれてくるのではないか。

 誤った認識によって迫害されれば、メタルの衰退は進む一方である。これだけは何としても避けなければならない。

偏見をなくしていき、BABYMETALなどキャッチーなものから興味を持つ人に対して入り口を広げて置くことで多様な価値観・音楽性が認められていくきっかけにもなる。

 

楽曲としての完成度、レベルの高さは芸術的なまでに美しく感じる。

そのうえメタルがもたらす恩恵には計り知れないことを忘れてはならない。

これからも孤独を抱える人、マイノリティの味方でありながら、体制へ疑問を投げかけていってほしい。そしてメタルへの偏見がなくなっていっていくこと切に願う。