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ヘッドライナーを務めることができる日本のアーティストがどのくらいいるのか?

 最近のロックフェスをみていると出演者がいつも同じだなと感じることがよくある。1回行けばあとは出演者がほとんど同じということは珍しくない。

 ROCK IN JAPAN FESTIVALやSUMMER SONICといったフェスでは、出演者の画一化を防ぐために出演権を獲得するための審査を設けたりしている。確かに、注目度も上がるし、単なる憧れに終わらない、常に新しい出演者に出会えるといった点で素晴らしい試みである。しかし、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 、RISING SUN ROCK FESTIVAL の4大フェスに代表されるロックフェスティバルのヘッドライナーを務める新人が近年では、誕生していないのが現状。音楽フェスを批判するつもりなど毛頭ないが、嘆かわしい問題であると感じたので記しておきたい。
 ヘッドライナーとは、「複数のアーティストが出演するライブやフェスなどにおいて、主役を務めるアーティストのことを指す。一般に、メインステージに出演する最終出演者」のことである。※LiveFansより

 そもそも今の日本で有名フェスのヘッドライナーを務めるアーティストがどれくらいいるだろうか?メインステージではない、小規模なステージなら新人アーティストが活躍する機会は十分にあるが、実力や知名度も十分といえるバンドやアーティストでもなかなかヘッドライナーとまではいかない。小さなステージから大きなステージに這い上がってくる姿は感動するが数年後にメインステージに立つことができるアーティストが育ってくるのはいつになるのか疑問になることがある。

 ここで5年間の間で4大フェスのヘッドライナーを務めたアーティストをみていく。

FUJI ROCK FESTIVAL
2017年 GORILLAZ、APHEX TWIN、BJÖRK
2016年 SIGUR RÓS、BECK、RED HOT CHILI PEPPERS
2015年FOO FIGHTERS 、MUSE 、NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS
2014年 FRANZ FERDINAND、ARCADE FIRE、JACK JOHNSON
2013年 NINE INCH NAILS、BJÖRK、THE CURE
※FUJI ROCK FESTIVAL HPより


 日本のロック・フェスティバルの先駆けであるFUJI ROCK FESTIVAL(通称フジロック)は、海外アーティストが多くヘッドライナーはずっと海外バンドであることを考えると
日本の新人がいきなりヘッドライナーになることはあまりに現実的ではない。それでは、日本のアーティストがヘッドライナーを務めたことがあるロックフェスティバルならどうだろうか。
SUMMER SONIC
2017年 CALVIN HARRIS、FOO FIGHTERS
2016年 UVER WORLD、RADIO HEAD
2015年 THE CHEMICAL BROTHERS、Pharrell Williams
2014年 Arctic Monkeys、Queen + Adam Lambert
2013年 Muse、Mr.Children
※SUMMER SONIC HPより


 2000年から開催されているSUMMER SONICは、当初は洋楽ロック中心であるといわれていたが、ジャンルレスなイベントとなっていて、アイドルや邦楽ポップ、ベテランアーティストまで主演する出演層フェスである。2013年から2017年までで日本のアーティストはUVER WORLDとMr.Childrenという形になっている。会場の規模を考えるとヘッドライナーは知名度も熟練度も高いバンドを選んでいることが分かる。

洋楽アーティストに比重が高い2つのフェスをみてきたが、日本のアーティストに比重が高い2つのフェスならどうだろうか。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL
2017年 B’z、桑田佳祐、サカナクション、RADWIMPS
2016年 星野源、BUMP OF CHIKEN、THE YELLOW MONKEY、ASIAN KUNG-FU GENERATION
2015年 [Alexandros]、星野源、BUMP OF CHIKEN、10-FEET
2014年 KICK THE CAN CREW、サカナクション、ASIAN KUNG-FU GENERATION、SEKAI NO OWARI
2013年 サカナクション、BUMP OF CHIKEN、Perfume
※ROCK IN JAPAN FESTIVAL HPより


 ROCK IN JAPAN FESTIVALは2000年に初めて開催され、現在は、日本を中心に活動するロック・ポップス・ヒップホップなど200組を超えるミュージシャンが参加する日本最大級の野外ロック・フェスティバル。出演者の幅も広く、ラウドやパンク、アイドル…新人からベテランミュージシャンまで出演するのが特徴。ロッキンでさえ5年のなかで新人アーティストがヘッドライナーを務めることはない。知名度もかなり高く音楽を聴く人ならば知らない人のほうが少ないアーティストばかりだ。少し新しいと感じるのは[Alexandros]くらいだが、2014年まで[Champagne]として活動していて活動歴が10年を超えることを考えると目新しいとは言えない。

 

RISING SUN ROCK FESTIVAL
2017年 レキシ、くるり
2016年 電気グルーヴ、BRAHMAN
2015年 ASIAN KUNG-FU GENERATION、10-FEET
2014年 電気グルーヴ、フィッシュマンズ
2013年 仲井戸"CHABO"麗市 Friday Night Session、MONGOL800
※RISING SUN ROCK FESTIVAL HPより


 RISING SUN ROCK FESTIVAL は1999年にはじめて開催されたオールナイトの音楽イベントで、音楽と共に朝日を見ることができるのが特徴。
楽曲はロックだけではなく、いわゆるテクノ系やレイヴ系のパフォーマンスもあり基本的にジャンルレス。同じく邦楽メインの国内大型フェスティバルであるROCK IN JAPAN FESTIVALに比べるとJ-POP系のアーティストは少なめで、ロック的なジャンルに沿ったラインナップを志向しており、全体的なオーディエンスの年齢層も高い。
※wikipediaをもとに編集


 ライジングサンでは、様々なジャンルの邦楽アーティストを取り入れていて全く違った雰囲気を期待させるワクワクがある。しかし、いずれも活動が長くお馴染みの出演者であることに変わりはない。


 近年の邦楽中心フェスを見ているといつもと変わらない出演者であることがよくあるし、順番を変えただけのようなフェスも散見される。新人アーティストのためにチャンスやステージが与えられている。これはとても素晴らしいことだし、称賛に値する。それでも、邦楽アーティストのニューカマーが大きなステージで活躍することがあっても良いのではないか。小さなステージから大きなステージへ行くステップアップも大事かもしれないが、新人がヘッドライナーとして活躍する日はいつになるのか。各地でお馴染みのアーティストを奪い合い独創性が損なわれていると感じることがよくある。
 これは、海外でも嘆かれている問題で出演者の取り合いのような状態になっていて、トリやヘッドライナーが同じといった現象が起こっている所も少なくない。

いつものようにいつものアーティストが観たい人が大半だろうし、より多くの入場者を集めて、長く興行していくことを考えると、お馴染みの出演者を揃えていくのが当然であることも分かっている。

 かつては、普段見ないバンドを見てもらいたいという思いも感じることが出来た時もあったが現在はそうした以降も見られない。すでに人気を博した有名アーティストを取り合い続けているばかりでは、音楽業界全体が賑わっていかないし擦り減っていくだけなのではないかという恐れもある。個人としては、人気も技量も兼ね備えた新人であれば大舞台で活躍する機会を与えても良いのではないかと思うし、日本で大舞台に立つことができる器をもったアーティストが少しでも多く育っていくことを願っているのである。

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